安全、安心 1

土曜日は近くのジャバベカでゴルフを楽しんだあと、火山ガルングンというところに行ってきた。バンドンの南、ガルットとタシクマラヤの真ん中に位置する。

この手記は、


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 で。紹介しています。

ココ何年かの日本は決して安全、安心な国とは言えなくなっている。イスラム過激派の自爆テロはないが、わけのわからない、心理的に理解のできない犯罪が急増していて、安全な場所は少なくなっているように外から見える。どこで、何が起きるかわからないから、町を歩く時は周囲を注意しなければならなくなった。日本は大丈夫でしょうか。日本は精神が病んでいるようだ。そういう点ではインドネシアのほうがよっぽど安全です。

それは日本のこととして、インドネシアはどうでしょうか。無差別殺人は聞いたことがありません。精神が病んでいることが原因でなく、貧困が原因の犯罪がおおいような気がする。

他の日本人には安全、安心と思えないだろうことを私はやってしまっているので、あまり、言えた義理ではないですが。一般的な安全安心について書きます。NHKの海外安全情報をたまに見ます。同じことを繰り返しているし、情報が古いし、当たり前のようなことを言っているし、直接、自分の住んでいる地域には無関係なことが殆ど、などなどで、役に立たないと思っている。この番組を制作している人は、ご苦労様です、と、言いたい。
 今は、全く見ない。

 安全、安心 2

日本の工事現場に“安全第一”の看板が大きく出ています。こちらでも、“Utamakan keamanan”と書かれています。同じ、安全第一の意味です。Safety Firstですね。万国共通です。

日本のトラックの後ろに車間距離注意と書いてあります。こちらのトラックにも

Jaga Jarak”距離を見張れという意味です。

 しかし、その標語がこちらでは全く意味をなしていない。車の事故と渋滞は日本にも勿論ありますが、こちらは、感覚として頻度は二倍、酷さも二倍、だから、四倍の死者と怪我人を出していると思う。物の損失も四倍だと思う。40フィートコンテナがひっくり返っている頻度はジャカルタ、チカンペック間だけでも一日一台ではあります。

その、高速道路を最低毎日朝晩往復しているのです。私は二区間だけですが、それでも二日に一回は道路から飛び出して横倒しになっているトラックやバスに会います。ちょっとした追突事故は事故に入りません。

日本人は是に対処しようがありません。ただ、無事を祈るだけです。事故に巻き込まれた日本人は日本人の比率程度はあるので、日本人だから特におおいというわけではありませんが、私自身、人身事故の巻き込まれたことがないのは、本当にラッキーだと思っています。あわやと、一瞬思ったことは三回あります。これはインドネシアだからではなく日本でも同じことです。

 安全、安心 3

日本人は安全と水は只だと思っている、というのは、すでに一昔前の話しだと思いますが、ここインドネシアでは、両方とも本当に只ではないと最初から印象付けられています。とにかく、水はボトルの物しか飲めません。公共の場所でも家庭でもそうです。水は買って飲む物です。レストランでもお茶が只で出てくるところはありますが、水が只で出てくるところは殆どありません。もし、出てくるなら、その分はメニューの価格に上乗せされているはずです。水の価格も種類によって、場所によってまちまちです。一般的に私たちが町のそこらへんで買うのは600mlボトルです。安いのはやはりスーパーマーケットです。

水は買ったものが絶対細菌など入っていないと思うことは錯覚です。安心できません。しかし、私は信じて安心だと思って飲んでいます。体調や体質にも依るでしょうが、また、飲む時の容器の消毒にも関係あるでしょうが、よく、お腹を壊したという話は聞きます。  知っている人で一番水に気を使う人は日本食スーパーで日本から輸入のボトルの水しか飲まない。歯を磨いたり、口をゆすいだりする時もその水しか使わない。お手伝いさんが食器や野菜を洗う時はボトルの水を使わせる。水道からの水は洗車や植物への水遣りにしか使わない。

 

 安全、安心 4

 日本食レストラン以外では食事をしない。そこでも、生野菜や生魚は食べない。ちゃんと火を通した物だけしか食べない。道端で買って食べることなどとんでもない話。歯磨きもボトルの水しか使わない。用心には用心を重ね、是だけ気を使っていれば大丈夫かというと,案外そうでもない。

 そういう人に限って、インドネシアの細菌はいたずらをする。無菌室で栽培された実験動物のように、一旦、出会ったことが無い、それほど強くない細菌に出会ったとき体が対処できなくて、酷い症状になる。

 インドネシアの細菌に侵されて再起不能になった人はいない。私は、何も恐れることは無い、どんどん、現地食に挑戦した方がいいと思う。免疫を早く作ってしまえば、インドネシアの細菌におびえる事は無くなる。ま、人によりけりですが。

 日本食レストランは冷蔵庫を持っている。だから、安心、でしょうか。そうは、私は思わない。調理の道具や食器皿など熱湯消毒でもしているのでしょうか。そこまでしていない。水道の水で洗って、放置して乾かしているだけである。どこが、現地料理レストランと違うのでしょうか。何も違いはしないと思うのだが、日本食レストランなら安心と思っている人が多い。出張者、特にお偉いさんが来た時には、皆さん大変気を使う。年を召した本社の社長さんなどの場合は、万が一でも帰国してから下痢になったなどという報告はもってのほかなので、気の毒なくらいピリピリする。

 

 安全、安心 5

日本の食品管理に対するストレスは大変な物だと思う。食品の偽装問題が後をたたない。何処もかしこも信用できない。外国産の食品、食材に対しても厳しいが、ほんの一部しか検査が出来ないのが現状でしょう。だから、輸入業者を信用するしかない。自給率について言われだしたのは何十年も前の話で、いまさら、自給率のことをいっても、対策しても無意味である。

安全保障上問題だ、という人も多いが、いまさら、持久戦もあるまい。戦争もあるまい。外国産を食べればいい。自給率にこだわることが変。世界はみな兄弟の精神で。

ここ、インドネシアに住んでいれば、否応ナシに外国産100%に近い食事をします。チェック体制、そんなものは無いと同じです。それでも、心配な人は日本食材スーパーで調達しますが、これとて、売っている大部分はインドネシア産である。包装が綺麗なだけで、中身はどこのローカルのスーパーマーケットでも同じである。

安心感を少しでも高めようとする考えは、現実を見ていないで、思い込みだけで占めている。無農薬野菜と言ったって、日本ですら信じがたいのに、インドネシアで信じて良い訳が無いのにである。

 

 安全、安心 6

交通以外は日本よりインドネシアのほうが安全だと思う。それは、置き忘れたものが落し物として届けられる確率は確かに日本のほうが上だと思うが、車上狙いやサイドミラーをあっという間に持っていってしまう子供たちもいるが、貧困が原因の犯罪である。

セキュリティのシステムは日本のほうが進んでいると思うが、セキュリティを使う場所や人は圧倒的にインドネシアのほうが多い。全ての会社で警備員を使っている。例外は全くといってない。どんなに小さな会社でも使っているといっていい。特に外国企業、中華系企業は厳重である。

何処の工場でも三交替でセキュリティがいる。出入りの車は全部チェックする。社長の車でもトランクを開けてみる。従業員の持ち物も門の手前で、チェックをすることが普通である。ざっとではあるが、効果のほどはしらないが、やらなければ物が無くなることは確かである。

 

セキュリティも完全に信じることは出来ない。彼らは一種の権限を持つわけで、何かを誰かが持ち出すことを見過ごすことも出来るのです。実際、その逆で、従業員が会社のものを持出したり、外部の物の侵入を見てみぬ振りをすることも出来るのである。一般的に、会社で雇った警備員は長くいると必ずそういう誘惑に負けてしまう者がでてくる。近頃は、警備会社から警備員を派遣してもらう会社が増えている。自前で雇うよりは高くなるが、是も信頼できるかどうかである。日本のセコムやアルソクもおおく使われている。警察や軍でも警備会社を経営していて、派遣業をやっているので、それらを使う会社もおおい。

 廃品回収と同じで、 マドラやアンボン系のマフィアが仕切っている警備会社もある。勿論、これらも、警察や軍が、絡んでいる。どんな、会社か、工業団地ならその事務所に確認することが肝心。

 

 安全、安心 7

一般的に分譲住宅地は、外国人専用や金持ち専用の高級地でなくても、セキュリティは大勢雇っている。私が住む地域は、一般小金持ち向けの分譲住宅地ですが、分譲地全体のセキュウリティもいれば、その中のコンドミニアムとでもいいますか、一角を所有し貸し出したり売り出したりしているしゃれた名前がついた塀に囲まれた分譲地もある。それぞれ入り口に守衛が何人かいて24時間体制で出入りをチェックしたり巡回したりしている。

彼らとは必ずといっていいほど顔なじみにある。会えば必ず挨拶をする。車が家から出る時に彼らがさしかかれば、誘導もしてくれる。

自治会で、当番制で見回りとか、アパート地域の出入りチェックはあるが、日本にはこういうシステムは全く無いし、警備のために分譲住宅地の管理者が警備員を配置することはまれである。その点、こちらでは全く当たり前である。

だからといって、泥棒に入られたという話をまったく聞かないわけではない。まれにはある。そういう場合、ひんぱんに起きたりすれば、警備会社を替わることもあるので、警備会社も真剣である。

 例えば、リッポチカランの高級アパート、セキュリティーは厳重です。月家賃が15万とか20万円するが、日本人は、そういうところに住むのが普通です。

年金生活者が長期滞在する住宅地も必ずこういう場所になるはずです。

 

 安全、安心 8

ショッピングセンター、モール、デパートの館内、駐車場も含めて敷地内、警備はどうか、何処にも必ず目に付くところにセキュリティはいます。どこにいても、セキュリティが見えなくなる場所はありません。トイレの中以外。

何階建ての建物ならどこの階にもいます。

車が駐車場に入る時、大概、チケットを受け取ります。その時、車のロックをフリーにしてそこにいるセキュリティがトランクや横のドアーを開けてチェックします。もう少し、厳重なところは鏡で車の下をみます。

手荷物、バッグなどは売り場に入る時、カウンターで預けます。そのまま無視して持って入ろうとすれば呼び止められます。スーパーマッケットは100%そういうシステムです。デパートへ入る時はいいのですが、その中のスーパーマーケットへ入る時は預けます。

会計は必ずカッシールと書かれたカウンターで支払います。品物はそこで受け取ります。これは、スーパーマーケット以外です。購入したいものが決ったら店員に請求書を書いてもらいます。それを持って、支払カウンターで支払います。先ほどの店員がその品物を其の場に持ってくれば、そこで受け取りますが、持ってこなければ、領収書を持って、先の売り場に戻って品物を受け取ります。売り場と払い場所が遠ければ店の中をうろうろさせられます。

経営側は、完全に、買う人を疑っているし、店員も疑っているシステムです。

 安全、安心 9

レストランの支払いは食べ終わったら、店員を呼んで、請求書をテーブルまで持ってこさせます。そこで、伝票を確認し、払います。店員が支払いカウンターへいって払ってきて、領収書を持ってきます。お釣りがあれば、その時わたされます。

日本のように伝票があらかじめテーブルに置かれることはありません。

支払いカウンターにはその店のお金の責任者が座っていて、常に店中を見ています。

日本のレストランチェーン店のように、テーブルにおいていかれた、伝票をもって、帰るとき誰もいないカウンターで店員を呼んで支払うなどというのは、どうぞ、払わないで帰えってしまっても良いですよ、と、言っているようなもの。こちらでは有り得ない話しです。

サービスが良いのか疑っているのか良く分かりません。ときには、テーブルにクルプックというせんべいのような物や袋詰めのお菓子がおいてある場合は自由に食べていいのだが、店員を呼んだときに自己申告です。これは客を信用しています。

ま、インドネシアのレストランで食事をした時は、お金の支払いより、お皿が汚れていないか、サジやフォークが汚れていないか、汚れていれば置いてあるティッシュで拭きます。良く見られる風景です。汚れていなくても習慣で拭いている人が多い。

トイレットペーパーが真ん中から引き出して使える様にプラスチックの容器に入れられておいてある店も多い。インドネシアでは、トイレットペーパーはありません。ロールティッシュかロールペーパーと言います。元々、インドネシアでは、紙で、おしりを拭かない。左手で水を使って洗うからです。基本的には、トイレに紙は置いていない。置けば、誰かが持って行ってしまい、直ぐなくなるでしょう。

 

 安全、安心 10

経営側の安心という意味で、工場のセキュリティについてすでに触れているが、警備員がいても、工場の盗難も多いと聞く、コンピューターが何台か一編に事務所から消えていたとか、プラスチックや金属材料が倉庫からごそっとなくなっていたとか、製品がなくなっていたとか、ボールペン製造会社や化粧品会社など大物でなくて、直ぐ売れる製品です。

長期休暇中、特にレバラン休暇中の盗難は毎年、恒例のように聞く。私がいた会社の例では、プラスチックの原料が5トンほど消えたことがある。結局、セキュリティが見逃したか、手引きをしたかに決っていますが、誰が犯人か、いつなくなったのか特定できなかった。そこで、長期休暇の前には、原料の袋を追跡しやすいように、赤のスプレーを大量に吹き付けた、その上、透明シートで何個かの一トン積みパレットをがんじがらめに巻きつけて一つの大きな塊にした。それ以後は盗まれる事はなくなった。 

私の会社では、その他に、良品の在庫をNG品と入れ替えたり、きれいに梱包してある製品の梱包を外部から傷つけたり、明らかに、嫌がらせの事件が頻繁に起きた。是も、誰がいつやったのか特定できない。そして、これは、内部の人間の仕業なので、いつまた起きるか分からない、忘れた頃に起こるかもしれない。それも、日本の客先で発見されるので始末が悪い。

会社の雰囲気が最大の原因である。労使関係とか、日本人のインドネシア人に対する接し方などで恨みをかうとか、日本人の精神的不安定などが陰湿な嫌がらせを招く。

家族が一緒に赴任していて、金を渡さないと奥さんや子供を誘拐するぞという脅しをかけられた日本人も知っている。しかし、その日本人は、若いが怒りっぽく、私が一緒の時でも運転手をしかりつけていたくらいだから、私がいない時、ほかの人がいない時にはもっと辛らつに怒るだろうなと想像できる。

 工場現場にCCTVの設置も当り前になっている。死角がないように、沢山のCCTVがあっちこっちに見える。それを、チェックする担当者もいる。

 安全、安心 11

楽しく暮すがテーマだから、不安は出来るだけ少なく安心して生活できることが前提です。大使館の情報や注意は人がおおく集まるところには出来るだけ近づかないこと。と、いうのが必ずある。もちろん、人だかりがしているところに、興味深げにのぞきこみに自分から行く日本人は少ないでしょう。しかし、私は、人だかりになっているところは何かしてしるか、何かあったかの場所ですから、通りかかれば、興味しんしんで何事かと近づいて見たいという衝動にかられます。実際、止まって見るか、中まで入っていくかはその時の自分が急いでいるかいないかによります。時間に余裕があれば、みます。写真も撮ります。これから事故や事件が起きるのではありません。既に起こったことですから、もう安心です。だから、大使館の注意は通り一遍の原稿書きに過ぎないと思っています。

お祭りでも結婚式でも、ワヤンの上演とか、パサールマラームと言って、移動遊園地付きの夜の安物大売出しの集団です。皆、賑やかです。

今、政党のキャンペーンが解禁になって、国会議員選挙運動が始まっています。これも賑やかです。危険を感じたことはありません。むしろ安心して近づきますし、中に入り込みます。無関係の人間でも歓迎してくれて、どうぞ一緒に楽しんでいってくださいという雰囲気になる。

 

 安全、安心 12

静かなところで、一人読書とか、アパートのプールサイドで居眠り、時々泳ぐとか、そういう過ごし方もある。

何でもかんでも動きまくって見てやろう聞いてやろうとすることばかりでは精神的に余裕がなくなると、のんびり過ごすことも必要だと思う。

だが、しかし、のんびりばかりしている人は、動けない、動きたくない、の言い訳で言っているにすぎないと思う。やはり、動き回ることができ動き回って、しばし休憩なら、生活の幅は広がるし、楽しみからもいろいろできるようになり、もっと、インドネシアで楽しく暮らすことができるに違いないと確信している。

インドネシアは安全安心だし、住み心地はいい。日本よりはるかに住み心地はいい。

事実、インドネシアで仕事をした人は、必ずインドネシアへ戻りたいと思っている。そして、何割かの人は、仕事が終わっても、何らかの形で、またもどってくる。私もそのうちの一人です。

ただし、その人たちは全員活動的な人達です。

 70以上になっても、インドネシアで仕事ができていて、何らかの楽しみもあって、付き合いも自分の気ままにできている人は、恵まれているね、という話をする。そうだねと。

 

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