Indonesiaの病気事情

  二人の卒業式

 ヤント君、静岡ことば学院卒業、漢字検定試験トップ、日本語検定一級合格、皆勤(ただ一人)で顕彰された。藤枝の静岡産業大学(国際関係)への進学も決定した。付き添っていて、胸を張ってしまった。

 ユニーさん、静岡ことば学院卒業後、磐田の静岡産業大学(経済)進学、そして卒業。留学生で、トップ成績で顕彰された。これも、付き添っていて、紹介されるたびに、気持ちがよかった。

 二人のこと、それぞれ、生活ぶりなどを交えて、静岡新聞に紹介されていた。インドネシア人で紹介されたのはこの二人だけだった。

自己満足に浸れる瞬間でした。二人とも、よくやってくれていると感謝した。ユニーさんへの手伝いは終わりましたが、ヤント君にはあと4年続けます。これからも、何かの気まぐれで、何人かの手伝いを増やすことになるでしょう。

  インドネシアの教育はどうなっているの、教育程度が低い、しかし、仕事では教えられた事はしっかりやる、と言う日本人は多い。また、多くの日系会社は従業員を日本での実習をさせている。また、私のように個人的に日本で勉強をする機会を待たせている人もいる。それらの事情について、記します。

1 日系企業の従業員日本派遣
 
これは、その日系企業の考え方一つである。まったく、送っていない企業もあるし、正規従業員は全員送るという企業もある。大企業の方がそのシステムは充実しているのは当然か。定期的に一定人数を常に送り込んでいる。中小企業はそのときの状況に応じて派遣している。
 研修制度を使う企業が多いが、一番、無難でビザは自動的に取りやすい。定期的に行なっていれていて、問題が発生していなければ審査も自動的に通過する。
 もう一つの方法として、私がやっているように就学制度を利用する。日本語学校は午前中だけ、午後はアルバイトで研修させればよい。一番賢い方法と思うが、この方法を取っている会社は少ない。
 目的の第一は、日本的環境(仕事、生活)になじみ、インドネシアでも経験を生かすこと。企業への帰属意識を高める事である。仕事を覚えるのは当然、自動的にできる事。私ほどではなくても、ボランティア精神が無ければ引き受けは出来ないし、中途半端な成果に終わってしまう。
 その成果もまちまちだと思う。ただし、日本語については中途半端な一二年の勉強ではどうにもならない事を承知しておくこと、期待してはならない。簡単なインドネシア語でも覚えられない自分のことを考えれば、インドネシア人とっては世界で一番難しい日本語をあっさりマスターできるはずが無い。
 
  いわんや、留学でなく、インドネシア内で日本語学校に通わせ勉強させる事は全く無意味である。インドネシア人の負担だけ増えて成果は全く上がらない。経営者の自己満足は満たされないままストレスが増す。親切心のつもりでもインドネシア人にとってはいい迷惑である。自分のインドネシア語の上達程度を反省した方がいい。
  

2 タレント?派遣の余談
 
これは、何?30種類近くの就労ビザがあると聞いているが、カラオケお姉さん達、半年の期間で、大勢日本へ送られている。カラオケへ行くと必ず、誰さんは日本へもう直ぐ行くとか、行ったことがあるとか、という話を聞く。そのための説明会を聞いてきたという話も聞く。そういう組織があるのだ。インドネシアマフィアと日本の暴力団が提携しているのでしょう。
  日本のインドネシアカラオケでホステスとして派遣される。芸術ビザだという。派遣された多くの女性は半年で五十万円程度は稼いで帰ってくるらしい。中には二回三回と出かける人もいる。
  しかし、こういうこともあった。バリの空港で泣きべその女性に声を掛けられた。お金を持っていないのでジャカルタへ着いたら、友達にアパートまでタクシーで送って欲しい、と頼んできた。聞くと、全くの手ぶら、なにも持っていない。パススポートも無い。それらを全部雇い主に没収されていたという。仕事に耐えられなくなって、警察に駆け込み、強制退去になったという。本当かどうか知らないが、結局、彼女の友人のアパートの前まで送ってやった事がある。彼女とはそれきりだ。当たり前だが、体を売らなければ半年で50万円はたまらない。そんな事は承知の上で出かけているが、中には、騙されたと思う女性もいる。


3 モラル教育
 
ゴミのポイ捨ては全く無くならない。綺麗にしておいて、これなら捨てにくいだろうと思っても、期待は必ず裏切られる。
 お祈りの場所は神聖なはずだ、だから、何時でも綺麗になっていなければならないと思うのだが、綺麗になっているのは掃除した直後だけ。
 親も学校も官庁も公共の場所は汚してもかまわないと思っているので、どうしようもない。
 日本人のマニュアル人間が一番先に口にする5S教育、なにやら、標語が増える。ゴミ箱が増える。それを見て、日本人は満足する。しかし、インドネシア人の気持ちに変化は無い。相変わらず吸殻のポイ捨てや紙くずが転がっている、ゴミ箱ははみ出している。
 
 挨拶はどうか、これは日本人の若者よりはっきり言って来るし、知らん顔をする事はない。私はそう思うが、日本人によっては挨拶がないという人もいる。それは、その日本人が問題だと思う。

 服装はどうか、靴の履き方が問題だ。学校へ行く時以外は子供の頃靴はなかない、裸足である。それが急に何時も靴を常に履けということになっても、足になじまない。かかとを踏む。慣れの問題なので、年々改善されている。作業服は一種のステータス、通勤にもそのまま使う人も多く、洗濯やアイロン掛けは日本人よりこまめである。

 ゴミと並んで、問題なのが、時間である。社外的要素が絡んでくると、これはどうにもならないが、社内だけでも時間が守られる事は少ない。彼らはわかっているが最初になる事がいやなのだ。様子を伺っているのだ。名のも、気にする事はないから、時間前にでも来ているよ、と、思うのだが、どうも、そういうことにはならないらしい。時間に遅れたら評価が下がるとはっきり宣言しておく必要がある。

4  私がやっている、いた事
 
私の趣味の一つですが、現在、日本へ留学しているインドネシア人の一人の保証人になっている。今まで中国人一人とインドネシア人二人の三人の保証人をした。私から望んで、もし、日本で 勉強したければ、最低学費は援助するよ、と、声をかけた若者です。頼まれ保証人ではない。
 三人とも、日本語学校二年その後、大学四年の計六年最低、学費の面倒を見てきた。内女性が一人、男性の場合はアルバイトが夜でもできるので、学費以外の援助は最初だけで済んだが、女性の場合は住居費や食費などの援助もしたので、学費意外に月10万円はかかった。彼女には6年間で、一千五百万円以上は使っている。現在、ジャカルタで翻訳業を開業している。
 日本語を勉強しに日本へ来ている学生は中国人が圧倒的に多い。大学への留学も中国からである。インドネシア人は7~8番目くらいでしょうか。一般的には日本語学校と提携した大学(例えばバンドンのパダラランやジャカルタのダルマプルサダ)から来る。保証人は日本語学校でくっ付けるというやり方だ。だから、学費や生活費など必要経費は保証人が負担しない(申請書には負担すると書くが)で、本人と家族が負担する。当然、本人の家族、特に父親の収入が多い、いわゆる金持ちの子供が多い。女の子の場合は特に親が金持ちでなければ留学できない。
 何処の日本語学校でも、就職斡旋担当者がいて、アルバイト先を紹介する。また、学校は留学生を引き受ける企業と提携していて就職しやすいようにし、授業料の取りっぱぐれが無いように保険を掛けている。太田化工も短期で忙しい時は日本語学校からアルバイトを雇う事がある。
  
 援助している期間中の大部分はインドネシアにいるのですから、お金を渡す以外は本人たちと接する事はない。しかし、その方が彼らに自立心をはぐくむ力になっているのではないかと思う。アルバイト先の日本人などと親しくなりかえって、母国人同志でたむろする事が少なく、日本語を遣わなければならなくなるので良い。
 
 インドネシア内の日本語学校に通っている学生の学費援助もしていた。JL.FatmawatiMutiaraという日本語学校兼インドネシア語学校の校長先生と親しくなり、何人かの学生の援助と土曜日に出かけていって生の日本語で学生たちと話す会に参加していた。

5IMM Japan 
 なんというのでしょうか、日本へ研修という名目で送り込むための施設(CEBEST)がある。ブカシバラットを出て左折し、突き当りを左折し、また左折したところにある立派な学校のような施設である。是だけの建物、設備はどんな大学より立派だ。ただし、洪水になりやすい場所にあるのが難点。
 日本語の教育をして送り出す。三年間の期限付きである。その後、実習を終え、インドネシアへ戻った人たちを日系企業に紹介しようというわけである。 
 財団法人、中小企業国際人材育成事業団(IMM Japan)主催の日本語が出きる人材紹介面接会に行ってみた。
 目的は、押出成型技術を教える対象となる人物を探すためだったのですが、平均年齢がおそらく、平均28歳前後、若くて、機転が利きそうな人には会えなかった。
 我が社はこのシステムから6人、すでに、入社させている。
また、日本の本社で常に5人ほどは使っている。



5 教育程度
  日本人の多くは高卒のやつらでも分数の足し算が出来ない、とか、数字の書き方がでたらめだとか批判するが、言っている本人が出来るか疑問である。今や、日本人の団塊世代以後の人50才以下の多くのひとも出来ない人が多いし、事実、頭のめぐりが悪い人が多い。自分のことを棚に上げてと思う。
  インドネシアの学校は日本に較べれば環境が全て劣っている。その中で、授業時間も午前中だけで短い。その上、宗教の授業もある、数学や理科系の授業が少ない。だから、平均的学力と言う事になれば低い。   従業員の仕事は学力を重視しない、生まれつきのまじめさや、器用さを要求されるので、その点については日本人の若者など問題外である。
  人数が多ければ優秀な人も、率は少なくても絶対数は多くなる。闇雲の派遣社員を誰でも使うのではなく、日本人の経営者に求められる事は、人を選ぶ能力である。自分の責任である。日本人の若者より程度の高いインドネシア人の若者は未曾有である。
 それにしても、中途半端な中都市の学校の環境は悪い。

  まじめな従業員の中には、仕事の合間に専門学校へ通う人も多い。そういう人はいつかはその会社をやめてもっと給料がいい会社に移ろうと考えている。それも当然である。学歴で給料に差が有るし、その会社にいては学歴が上がってもそれを考慮してくれないからである。
 

 

 

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