インドネシアが危険なのか危険でないのかは、それぞれの人の性格や出会い、環境によると思う。この頃の日本だって、妙な事件が多く、決して、威張って安全だとは言えなくなっていると、思っている人も多いはずです。下記したことをどう受け止めるかです。脅かしではありません、そんな中で、何の心配もせず、インドネシア社会に溶け込んでいる日本人も多いし、逆に、閉じこもって、できるだけ、インドネシア社会に近づかないようにしている人もいるのです。来た日から、帰りたいコールをする人もいますし、転勤を嫌がっている人もいます。魅力もたっぷり、危険もたっぷり、どちら優先は人によります。
NHKで海外安全情報という番組を流している海外でも見ることが出来る。これは、はっきり言って情報が遅い。また、安全情報ではないと思う。危険情報である。はっきりそういったほうがいい。
インドネシアは日本には無い色々な病気がある。富の格差が大きい。金銭的に貧しい側の人口が多い。公務員の汚職が目に余る。袖の下の世界。イスラム教が大多数、などなどがあって、日本人の印象としては治安が悪いし、危険な国だ思う。それは其の通りだと思う。
1 車上荒し
どこの駐車場でも、セキュリティーが何人いようとも、車の中に貴重品を残したまま、車から離れてはならない。警報機つきでも、やられるときはやられる。犯人は何処かで物色している、日本人が何も持たないで車から出てくれば彼らにとってキャンスである。直ぐそばにいるセキュリティーに聞いても知らん顔されるだけである。どんな場合でも、貴重品を体から放してはならない。
パスポートを紛失したり盗まれたりしたら、直ぐ大使館に届けを出す。同時に警察へも知らせ、盗難なら、盗難された証明書を発行してもらう。
直ぐに帰りたい場合は領事館に渡航書を申請する。盗難届(紛失届)、パスポート用写真、パスポートのコピー(必ず何枚か肌身離さず持っていること、ホテルにコピーをとる場合が多い、)、戸籍抄本(日本からFAXしてもらう)、帰国の為の航空券、が必要。一日二日で受け取れる。イミグレのオフィスへ行って、滞在の証明の印を押してもらう。
日本へ入国する時、渡航書は取り上げられる。改めて、新しいパスポートを申請する。日本語訳をした盗難届が必要である。
急いで帰る必要が無ければ、パスポートの再交付を申請する。
クレジットカードは直ぐに使われるので、クレジット会社に電話し、直ちに無効にしてもらう。
パンク強盗というかパンク目くらまし法というか、パンクに気が付いた時、パンクを指摘された時も、貴重品について先ず、考える事。運転手も怖いから、見てみぬ振りをするので、信用してはならない。貴重品を持って自分は降りないで運転手に修理させる。手伝いはしない事。
運転手を使っていないときは貴重品を運転席に移し、サイドドアーは全てロックする事。
2 交通事故
まず、日本人が驚くことは、車の運転の乱暴なこと。法規もルールもあったものではない。一時停止は100%しない。路肩から発進するする時、後方を確認せずまず発進する。車線変更で方向指示器は出さない。二重三重の追越をかけてくる。
通勤で気をつけなければならないこと、バイクがどこでどういう状態でいるのか、どこからどういう状態で飛び出してくるのか、道路の穴ぼこ、渋滞で割り込んでくる車、歩行者の飛び出し、前の車の急ブレーキ、居眠り運転の蛇行、路肩の急な落ち込み、とにかく、運転に集中しなければならないが、一点だけを見ていてはだめ、ぼんやり、ルームミラーも入れて360度見ている。
追突したことはないが、追突されたことは数え切れない。バイクが何回ぶっつかってきたか、ぶっつかってこけている。バッキミラーで確認し、知らん顔してそのまま走る。いっぺんに三台こけた事もあった。
一番あわやと思ったことは、前を走っていたバイクが何でもないところで突然ひっくり返った時だった。急ブレーキをかけて、左に避けたら、目の前にカキリマがあった。あわてて、右に切りなおしたら、避けたばかりのバイクがまた目の前にあった。寸前で止まったが、肝を冷やした。
高速道路のトラック事故はジャカルタ、チカランの間だけでも毎日のようにある。びっくりしないし、ニュースにもならない。ただ、渋滞になるので、またか、やれやれと思う。待ち合わせに遅れた場合の証拠として、まだ、事故車があれば写真を撮っておく。
3 群集
日本しか知らない人には不思議かもしれないが、とにかく、人が多い、子供も若者もとにかく多い。巷に人があふれている。日本は寂しい町が多く、人はどこで何をしているのでしょうか、いるのでしょうか、なかなか人を見ることが出来ない町が多いが、インドネシアはその全く逆である。どこでも人が目に付く。其れも数人どころではない。外国人の私はいつも多くに人々から見られている。意識過剰ではない。
土日の朝、ゴルフに行く時、ゴルフ場に敷地と言うか近にあさ6時頃には付くことが多い。人里から相当離れているそこに、早朝ジョギングためなのか、何処から湧き出してきたのか、ものすごい群集が出来ている。クラブハウスまでの道が歩行者天国のようにふさがっている。クラクションは鳴らさず、ゆっくりゆっくり二三キロも進まなければならない。自分ひとりの運転なので、ちょっとでも、人に接触すれば大騒ぎになって袋だたきにされそうな恐怖を感じる。
何かちょっと、大きな音がすると、あるいは誰かが急に走り出したりすると、周りの人が直ぐ反応し、集まってくる、たちまち黒山の人だかりになる。近づかないようにしている。
群集心理はづごいエネルギーを生む、それも悪い方へ、98年5月の大暴動、其の年11月のキリスト教会焼き討ち事件いずれも、群集の暴走が大きな被害をもたらした。個人個人なら、人がいい、シャイな人間が多いが、集団になるとブレーキが効かない、くれぐれも、群集には近づかないようにしている。
4 テロリズム
インドネシアの大多数のイスラム教徒は超穏健派である。ただ、宗教にかかわり無く、過激な思想を持つ人間は何処にもいる。日本にだっている。何人かの洗脳された集団が、オーストラリア、アメリカ関連の施設を目標にする。しかし、一番最近のバリの爆発は死者の大多数がイスラム教徒だった。またその後、爆弾製造首謀者が銃撃戦の上、射殺された。それ以後、大きなテロは起きていない。
イスラム教徒とキリスト教徒の争いは、いつ何処でも起こる可能性はある。噂、デマが原因で流血事件まで発展してしまう、根深いものがある。
地方へ行くと宗教で線引きをしてある。マルク諸島で今も頻繁に争いがある。
5 列車 航空機 その他事故
これも珍しくない。車体はぼろぼろ、扉は無いのか閉まっていない、地方行けば行くほど屋根に人が乗っている。踏切が閉まってもどんどん渡る。踏み切り内のでこぼこはひどい。線路の曲がり(上下、左右)が日本に較べるとはるかにひどい。この状態でよく営業をしているなと感心するくらい。
社内も、身の回り品、ポケット、荷物には注意、インドネシア人も特に女性はエコノミーに乗りたがらない。
日本人で列車に乗る人はまったくと言っていいほどいないでしょう。私も冒険したいならどうぞ、といいたい。
ローカル航空会社はいくつあるでしょうか、知っているだけでも6社ある。勿論外国から中古を購入して使っている。事故はよくある。日本に較べれば10倍以上危険でしょう。車も列車もその他も10倍以上なので、航空機が特に危ないという事ではない。
フェリーもよく沈む。私がこの目で見た限りでは日本からの中古ばかりである。セカンドが悪いとは言わないが、とにかくメンテナンスを何もしていないというか、全てが汚い。壊れ放題。
6 全体の印象
1998年の大暴動の時、逃げなかったどころか、二日後のはジャカルタツアーを敢行したし、一週間休日になってしまったので、HARIMという空軍のゴルフ場でゴルフの初ラウンドをしていた私でした。その私の印象は普通の人と違うのであまいり鵜呑みにしないほうがいいかもしれない。
私が仕事を終わって家に帰る途中、家まであと5km位のところで、どういう状態だったか分からないが、対向車線でトラックと乗用車が事故を起こしていた、こちら側の車は見ながら徐行して通過していた。私がさしかかった時、怪我人の仲間だろう、いきなり、私の車の前に両手を挙げて立ちふさがった。怪我人を病院まで運んでほしいと言っている。直ぐ車に乗せ、家の近くの病院へ連れて行った。怪我人はうなりながらアラーに祈っていた。いつも利用していた病院を知っていたからいいようなものだが、知らなかったら、どうなっていたことだろうか、彼らは私が日本人と言うことに気が付いていなかった。
また、地方の坂道のカーブで対向車線の戦車が操縦を誤って、路肩から左斜めに落ちかけ45度以上傾いて止まっていた。その中から血を流した兵士が乗り出して助けを求めていた。どじなやつらだなと思いながら、車から出て助けに向かった。私の前のトラックの運転手も出てきて手伝った。無事救出して車に戻ろうとしたら、前の車が下がってきて私の車に逆追突をした。
トラックの運転手、あわてて、状態を見に来た。人のよさそうなおじさん、おびえたような顔をして、謝っている。彼も私が日本人だと思っていない。「保険で直すから、大丈夫だよ」と言ったら、ほっとした顔をしていた。
学校の校長先生に追突されたこともあった。名刺を差し出しながら、平身低頭、この時も、私が日本人だと言うことに気が付いていなかった。
どうも、インドネシア人の場合は、加害者は相当な仕打ちを受けるらしい。それで、すがりつくような謝り方をするのだろうと思う。
これらがいい例で、インドネシアに溶け込んでしまっていたので、私は怖いものなしだった。一般の日本人は多分運転手を使っていなければ対応できない事ばかりだと思う。