総じて、組合は同業他社とか地域他社とか勤続年数による差とかそういうものを含めた調査をし、それに基づいて、会社と協議をするという能力が無いので、私から見ると、組合は会社に説得されてしまっているいるように見える。ストライキをする組合は理屈でなく、感情的にやるところが多い。連鎖反応を起こす事もある。
 国の制度がゆがんでいると思うし、組合の上部統括団体が幾つか在り、それら全てが、既得権を離そうとしないので、国際的に通じる労働基準法ができない。スタートが間違ったと思う。契約社員を使う事と最低賃金を抑えるしか方法が無いのが現状だ。

 

1 送り迎え、
 日本ではほとんど考えられないが、工業団地の従業員は送り迎えが常識である。何箇所かの地方に分け、集合が書を途中の何箇所に決め、そこまではそれぞれの手段で来て待っているというやり方だ。会社によっては、何十台も使う。50Km以上の遠方からも送り迎えする事もある。送迎費用も馬鹿にならない。バスを使うほど人数がいない地域は、白タクやコアシやオジェックを使う会社もある。三交代の送迎を入れるとひっきりなしにバスを運行する事になる。
  交通事故や洪水やバスの故障などで、遅れたり、来なかったりすることがあるが、それも、読み込み済みで対処しなければならない。

2 社員旅行
  日系企業では普通、一年に一回、バスをチャーターして日帰り旅行をする。何周年かには一泊旅行をする会社もある。近場ではアンチョール、TMII,、アンニョール、ジャティルフール、タマンサファリ、ラグナン動物園、プンチャック辺りだが、何年かで行くところが無くなる。仕方が無いから、繰り返すしかない。
  行く先のちょっとした広場で、ゲームをやり、景品を渡す。クルプック食い競争など、たわいないゲームで、結構、団体戦で盛り上がる。日本人も積極的に参加すべし。
  家族や恋人が当然のように加わるので、前もって人数を確認しておく。これも含めて、インドネシア人だけで、色々な役割、係りを決めて彼らに出きるだけ任せる、会社や日本人はお金だけ出し、口は出さない方がいい。何処にも、好きな人がいるものです。

3 スンバコ(現物支給)
  年末かレバラン休暇の前に従業員に現物支給のお土産を渡すのが慣わしになっている。裕福な人が恵まれない人たちに施しを品物で渡す、イスラムの習慣である。政府のお偉方や有名タレントが施しをし、新聞やテレビで報道される事がある。一種のパフーマンスになっているのでしょう。会社も、ボーナスの他に品物、米、佐藤、飲み物、洗剤や日用品、中には生理用品を支給する会社もある。工業団地の組合が周りの小中学校に学用品を贈っている記事がジャカルタ新聞によく載る。

4 お祈り
  会社内には必ず、お祈り室がある。男女別である。そのそばには手足などを洗う場所もある。一日五回だから、そのうち何回かは会社内でお祈りをする。仕事の都合で、従業員は機会あるごとに、お祈りをする。男性だけ金曜日は特にブルジュンマットと言って、大勢の人と一緒にお祈りする事になっているので、小さいお祈り場所しかない会社の人は大きなムスジッドのある別の会社へ行ってお祈りをする。なんでも50人以上は集まらないとだめだという。何故だかわからないが、何故と思ってはいけないらしい。そのために、その時間は男性従業員は特に仕事で拘束をしないようにしてやらなければならない。外へ出るなら,その足も用意してやる。
 
5 休日
  一週間の労働時間は40時間なので、原則として土日曜日が休みになるが、一部、平日7時間労働にし、土曜日半日出勤という会社もある。
  多いか少ないかは微妙だが、結構、ナショナルホリデーはある。独立記念日、元旦を除いて全部宗教がらみだと思う。また、毎年、休日は変わるすし、それが何日変わるか確実に決まっているわけでもないので、政府の発表を待たなければならない、毎年10月中には発表がある。カレンダー作りはその後になる。それでも、レバラン明けなどは宗派によって違いがあるようで、前の日にならないければハッキリしない場合もある。
  土日と重なっても振り替えにはならないし、飛び石でも移動にはならないが,動かしてかまわない休日は政府が動かして連休にする。会社独自のカレンダーで移動する事もある。また、レバランの休日は二日間だが、年休を消化し、10日間位の連休を奨励されるので、実行しなければならない。

6 労働協約(組合) 
 給料 税金、健康保険は会社持ち、天引きは無い。政府から、最低賃金の改定命令が毎年、10月ごろあるので、それにしたがって、初任給を決める。どの会社もそれ以上にする事はない。各種手当や学歴の格差や職歴の差は各社まちまちの評価で、明らかにしていない。日系企業でも大企業と小企業では大きな差があるようだ。
 退職金、正確な計算方法は知らないが、かなり高額と聞いている。一年目から支給される。また、退職理由で区別されず、犯罪など起こして首の場合でも減額や無しという事にはならない。国の年金制度が無いからかなと思う。?
 残業、時間外労働割増金、これはひどいと言いたい。間違っていなければ、最初の一時間が100%二時間目が200%三時間目が300%四時間目以降は400%増しとか、信じられない。だから、何もかもの費用が月額報酬から支払う契約になっていた私は運転手を使わなかった。もし、使えば、待たせている間も時間外手当を払わなければならなくなる。一般の日本人は夜中までのカラオケや休日のゴルフでも使うので、月給の3倍は当たり前だ。
 ボーナス、年に一回一ヶ月それだけである。会社によってクリスマスやレバランの時に一か月分それぞれの宗教に関係する人に渡すところもある。評価で平均±20%くらいが標準か。
 ベースアップ、政府からの通達で決まる。それ以上にする会社は皆無。
 正社員と契約社員、退職金の事がネックになり、正社員を抑えようとするのが一般的である。契約社員は様々な縛りがあって、いつまでも契約社員のまま置いておくことができないために、一定期間で交代させるしかないが、一定期間過ぎれば再契約が可能。インドネシア人にとっては気の毒だが仕方が無いと思う。
 プアサ、禁欲期間である。ラマダン期間中一ヶ月断食月とも言うが、インドネシアではかなり、自由だと思う。毎日断食明けの時間が変わるので、ラジオやモスジッドから知れせられる。その月だけ昼休みを30分にして、終了時間を早くする会社が多い。

7 健康保険
  色々な健康保険会社(Jamsostekが有名)があって、日系企業なら大体何処でも何処かの健康保険に入っている。グレードがまた、色々あって、その程度によって、かかることが出来る病院や最高金額が決まっている。それでも、一般の人や契約社員は入っていないのだから、正社員は恵まれている。問題は限度額を超えた時、自己負担になるが、自己負担できない場合がおおい。そういう場合どうするか、会社が立替払いをし、給料から一定金額を天引きしているようです。それでも、病気が続く従業員は最後はどうなるか知らない。

8 賃金事情
 インドネシア人の給料は最低月給(新高卒)の公告によって決まるが、地域によって若干異なるし、デフレを参考にしているので毎年、アップ率は異なる。ジャカルタ、周辺がとびねけて高く設定される。2007年4月で0.9juta Rp.ジャタルピア(約一万二千円、100US$)ぐらいです。他の地方はそれより安い。中部ジャワ辺りでは物価がジャカルタの三分の二程度だから、当然、最低賃金は0.8ジャタRp(一万円くらい)。大卒は政府から示されないが、高卒の倍以上三倍以下ぐらい(2~3ジュタ)日本で日本語を勉強し、四年大学を卒業していれば、5ジュタくらいですが、なかなか、就職は難しい。
 インドネシア人の給料は簡単に言うと最初は1万円からで、毎年、10%くらいのアップと考えれば、5年勤続で、1万6千円くらいになるでしょう。
 残業や休日出勤が多ければ、倍くらいには直ぐなりますが、運転手など特殊な勤務に限ります。また、これらをまじめに守るのは日系をはじめ外国系企業と現地大企業だけで、中小零細の現地企業は守っているところはほとんど無いといっていいでしょう。チェックが入る事はないからです。
 私はインドネシア人の仕事の対価が少ないと、気の毒に思っていました。できるだけ、仕事を作ってあげて、交代に休日出勤をしてもらうようにしていた。従業員から喜ばれたが、経営者からは煙たがられた。

 

9 正規社員と契約社員
 
契約社員は組合員ではないので労働協約に縛られないし、退職金を払わなくてもいいので、大部分の会社は契約社員を増やしている。派遣会社から適当人数を学歴や男女別などを指定し、派遣してもらう。派遣期間は、一週間、一月、三ヶ月、半年、一年など随時であるが、同じ人は二期間延長に留まる。例えば一年契約に人は三年目までは延長できるが、四年目はできないので止めさせなければならないか、正社員にしなければならない。しかし、止めさせても一ヶ月過ぎれば再契約できるので、この方法をとる会社が多い。
 悪しき、方法ではあるが、人件費の節約を考えればこの方法をとるのは止む終えないと思う。
 入った日から任せられる簡単な仕事に限る事にはなっているが、かなり重要な仕事までやらせている会社が多いようだ。
 給料の支払い方法は派遣会社に一括で払い、契約社員には派遣会社から各自の銀行口座に振り込まれる方法と、あらかじ派遣会社に登録料として支払っているので、直接契約社員に払う場合がある。

インドネシアの会社には日本では考えられない事情がある。それを、知っておかないと、とんでもないと思うようになる、それが当たり前だと思うように、事情を書いておく。

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