日本人事情

1 住居
 ジャボタベック広範囲に住んでいるが、多分、家族連れは全部、単身も90%以上がジャカルタの高級アパートに住んでいる。そういう所しかないといえば其の通りだが、日本人が家賃を上げているふしもある。家賃は1500~2000US$(平均で20万円)そういうところでも入るので値段は下がらない。間取りは三LDKバスル-ムは2つ、またそれぞれが日本の二倍の広さである。一言で言って贅沢、リッチ、日本でこんな家に住める人はいないでしょう。これだけで特権階級意識を持ってしまう日本人も少なくない。
 勿論、ジャカルタ以外周辺都市、工業団地の近くに外国人向け集合住宅や一戸建てがある。平均1000US$でしょうか。ちょっと、インドネシアに慣れ他人はそういう場所を選ぶ。空気はまだ汚れていないし、通勤時間は短い、節約生活が出来る。
 ちなみに私は、チカランの北、ルマーアバンのインドネシア人の為の分譲住宅地の中でも塀に囲まれてセキュリティーがちょっとしっかりしている所に住んでいた。家賃は300US$だった。周りに日本人は全くいない。この地域では有名な日本人になってしまっていた。いきなり日本人がこういうところへ放り込まれたら、ノイローゼになってしまうでしょう。

2 食物、食事
 これもリッチ。まず、昼食、工業団地で仕事をしている人は日本食レストラン。平均1000円(税込み)。夕食も日本食レストラン、アルコール込みで2500円、朝食は抜きか果物、パンなど500円。日本で外食するよりはるかに高い。其れが普通である。其の上、日本食レストランは安全で、其のほかは危険が高いと思い込んでいる日本人が多い。少なくとも熱を通すものはどこでも安全である。熱をかけない料理は日本食レストランでしか食べないので、その点だけならリスクはむしろ高い。
 病院が日本系欧米系の診療所のようなところを信じるが、それ以外、中華系、韓国系、インドネシア系の病院は信じない傾向がある。これと同じことで一種の偏見であり、病気である。
 日本食材は日本食材スーパーマーケットで仕入れる。パパイヤ、コスモ、カモメなどである。価格は日本での1.5倍である。インスタンラーメン特売でも1万Rp(130円)位する。輸入関税がかかっているからである。同じカップラーメンでもインドネシア産と日本産では5:1の価格差である。野菜類の果物類の一部はインドネシア産もあるが、余り売れない。見た目が貧弱だし、味も落ちる。
 東南アジア独特の果物、野菜でもドリアンは置いてない。ランブータンやサラック、マンガ、パパヤは売っているがHEROやMATAHARIの1.5倍はする。
 
 インドネシアの食べ物は普通、ナシゴレン(焼き飯)やミーゴレン(焼きそば)、ガドガド(ごま、唐辛子ドレッシングの野菜サラダ)など思い浮かべる。しかし、これだけでは余りにも変化に乏しい。スープ類やから揚げ物をおかずにご飯の料理がバラエティーに富んでいる。これらは固定したお店。夕方になると道端にテント張りの店やカキリマ(五本足)という屋台が店開きする。鯰やアヒルや鶏のから揚げ、テンペやタフ(豆腐)などのゴレンガン(揚げ物類)を売る。油紙で包んで(ブンクス)家へもって行き家族で食べる。
 
 ちなみに私もそうした。家で料理する食材は近くのHEROで買うこと多い。果物、野菜、肉類や魚類は量り売り、うどんやそば、醤油や七味も売っているが一桁高いから見向きもしない。それで十分だった。

 ぜひお勧めの果物、ドリアンやナンカは言うまでもないが、チボダックという見かけはナンカを小さくしたような果物、これがおいしいことこの上ない。シーズン(雨季が終わる頃)になると、道端で売っているのを探しながら車を運転している。

3 衣類
 大して書くことはない。普段着は年中夏服でラフなものでかまわない。贅沢したくても出来ない。他の人は知らないが、衣服を買うことは無かった。 其れに較べるとインドネシア人の衣類は面白い。長袖服、セーター、ジャンパー、マフラーなど、厚手の服装をする人が多いし、見ているだけで暑苦しいが、寒がりである。20にでもなれば風邪を引きやすくなる。
 ソックスは縫製が悪く中が糸だらけとても履けたものではない。靴は高い、日本のほうが安い。
日本人の多くは会社では制服かワイシャツネクタイスーツである。私は作業服を着ていた。普段着は完全にインドネシアに溶け込んでいた。TシャツにGパンだった。履物はつっかけだった。それも、あまり、すっきり清潔感のあるものは避けていた。出きるだけ日本人に見られないようにしようとしていた。

4 休日の過ごし方
 家族連れは土日のいずれかで家族サービスとゴルフに当てる。ゴルフは付き合いで必要と感じているからである。家族サービスは学校の行事、ショッピング、外食(日本食レストランは100軒以上ある)、ラグナンやタマンミニなどである。
 年に一回ほど帰国する。家族の旅費も会社持ち。レバラン辺りは小旅行か。
 単身者はどうか、単純に言えばフリーである。人に迷惑をかけなければどこで何をしてもいいと言うことになる。しかし、だいたいゴルフ、土日土日と何ヶ月先までも埋まっている人もいる。時間つぶしには一番安易で安全か。草木もなびくゴルフ場。
 其のほかは何か。旅の会、合唱団、釣りの会、ダイビング,囲碁や将棋。ソフトボールこれは真剣勝負なので大変らしい。
 ゴルフが終わってから昼寝をして、夜は飲みに行く其の後は・・・・。
 ちなみに、私はゴルフも旅行もするが、従業員の何人かを招待して、アイススケートやボーリングや近くの海岸へ行ってレクレーションをしたりしていた。インドネシアでは自分たちではジャカルタのそういう場所に行くことはできない。

5 夜
 平日は単身、家族ずれに関係なく、多くの日本人は仕事が終わって真っ直ぐ家に帰る人はいない。ここでは誰もが知っている典型的な日本人の為の歓楽地BLOKMについて触れる。
 南ジャカルタにおおきなバスターミナルがある其の一帯をBLOKMというが、日本人が言うブロックMはムラワイという住所の一角である。近くにパサラヤ、ブロックエムプラザなどで賑わっている。100M四方界隈に、日本食レストランが20軒ほど、KARAOKEは30軒ほどある。
 19:00頃から飲食が始まり、21:00頃終わる。そのまま、自宅へ帰る人は殆どいない。カラオケに入る。指名した女性とたわいない話をしながら、飲んだり、歌ったりする。何時間いても大体1万円ほどかかる。女性と意気投合すれば電話番号の交換をする。連れ出せば20時間分別に1万円ほど払う。
 女性は複数の日本人と付き合うのが普通だ。彼女たちの言うことを信じてはならない。ドラッグにはまっている子もいるし、プレマンといって、ブロックM界隈をたむろしているマフィアの予備軍のようなプレーボーイに付きまとわれ貢いでいる子もいる。
 中には本当に学校へ通っていて学費が無くて働いている子もいるが、そういう子は、客と一緒に出て行くことはない、非常に少ない。
 ふわふわ、調子に乗って羽目をはずして深入りしていって取り返しが付かなくなった人もいた。女性の家族に脅され二重結婚してしまった人も身近にいたし、それが、日本の家族にばれて離婚、こちらに住み着いている日本人も何人かいる。極端な例は、掛け持ちで女性と付き合い、其のうちの一人から結婚をしつこく迫られ、殺してしまった人もいた。
  飲むと買うことに理性が働かないで、限度がない人の中には、会社のお金を使い込んだり、仕入先からバックマージンを強要したり、接待を強要したりするやからを多く見ている。程々に。

  独身者でカラオケで知り合った女性と結婚して、日本へつれて帰り、幸せになっている人もいる。それぞれ、様々である。


 6 ゴルフ
 日本人の90%以上はゴルフをやる。しかし、日本ではやったことが無くインドネシアでデビューする人が多い。私もそうだった。道具はジャカルタで売っている。初心者は1セット6~7万円が適当か、他の人への迷惑を最小限にするため、ドライビングレンジでまず、空振りをしないように練習する。経験者がOKといったら本コースへでる。土日ビジターは60万Rpくらい。飲み物、食事、賭けの負けを含めれば、初心者は1ジュタRp(一万三千円ほど)を覚悟しなければならない。若い人には毎週は大変である。
 最近、多くのゴルフ場はカートを使う。キャディは一人ひとり付く、話ができれば、冗談を言いながら、楽しく回れればなおよし。ただし、キャディのアドバイスを信用し、間違えたからと言って文句を言ってはマナーに反する。全てが自己責任である。
 チップは5万Rpが普通。お気に入りのキャディをブッキングできるが割り増し払いになるし、チップも弾まなければならない。それぞれである。
 コンペも盛んに行なわれる。取引先の付き合いや同じ工業団地、初心者だけ、日本食レストラン主催でお客様、県人会、などなどである。会費は20万Rpほど、其の会費から、賞品や賞金を捻出する。


 7 日本人同士
 日系企業の日本人の数は、インドネシア人100人に一人位が普通らしい。四人以下の会社が多い。地位の高い方が能力が上で人間的容量も大きければ問題は無いが、其の逆の場合は、地位の低い人は煙たがられ、いじめを受ける。そういう会社はいくつも見ている。能力が無い上司同志が気が合い、能力が高い部下が悪者にされる。外部の人はそうは見ない。上司がしゃべることを信じてしまう。そういう会社は大変醜いし、インドネシア人も感じる。会社はうまくいかない。
 外部の日本人との関係はちょっと勇気を出せば大いに貴重な経験が可能である。若い人には特に、日本ではとても話しもできない社長さんとか、色々な技術をもったひとと、簡単に接することが出来る。工場見学もどうぞどうぞと大歓迎される。
 サラリーマンの責任感の表現として、感情を露骨に出す日本人が多い。日本なら抑えるが、外国では自己抑止力が引っ込んでしまうのでしょう、私のいた会社で社長四人中二人、マネジャー五人中三人がよく怒鳴っていた。殆どの場合其の人たちの予備知識、理解力の不足からである。聞いていて、気の毒に思うばかりである。能力不足だなと思う。
  でも、これが一般サラリーマンのレベルかもしれない。私は中年のサラリーマンを使ったことがなかったし、一緒に仕事したことがなかったので、この歳になって実態を始めて知った。

 インドネシアに日本人は何人いるか知らないがジャカルタ中心ジャボタベック(Jakarta,Bogor,Tangeran、Bekasi)東はブカシ、チカンペック南はボゴール西はタンゲランに1万以上いると言われている。
 それらの人々が、いやいやか望んでか知らないが、どんな生活をしているかに触れてみる。韓国系の人は2万人いると聞く。しかし、目立つのは日本人と日本色である。何故でしょう。


 

有名な海越えのショート

 

8 職場環境 
 同じ、日本人でも職場での環境によって、外部との接触、工場内との接触それぞれに偏りやすい。特に現場主体の日本人は外部との接触が少なく、インドネシア人だけとの接触になる。そこで、外周りが多い人は、そういう人に気を使わなければならない。
 こういう例があった。赴任してきて三ヶ月の45歳前後の人、外国は始めて、言葉は出来ない、環境になじめない、日本人の知り合いもいない、住む場所はチカラン、仕事は工場の中、この人の同じ会社の営業の人から、なんとかこの人の相手をしてやって欲しいと頼まれた。
 聞くと、ゴルフをやってみたいがやった事がない、カラオケも行きたいが行った事がない。どこか旅をしたいが何もわからない。全部、私がかなえてやった。大変、明るくなり、感謝された。
 職場環境も、その人のストレスになる要素がある。同僚が、気を使ってやることである。どうにもならなくて、帰国してしまう人もいる。

 

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