インドネシアには特にジャワ島は火山島である。富士山によく似た山がたくさんあるし、箱根の小涌谷や恐山のような所も数多くある。バンドンの南にいくつかの山がある、そのいくつかの山々には温泉が湧き出している所がある。KAWAH(カワ)と言うのは噴火口のことである。Papandayanというのはそれらの山の一つである。JODCからPT.HONORISに派遣されている中野、赤津の両氏も一緒だった。

Edelweiss(エーデルワイズ) 

1 場所とアクセス
  
タシクマラヤ(Tasikmalaya)、バンドン(Bandung)の南、ガルット(Garut)の西に当たる。ジャカルタからは殆ど高速道路を使う。Cikampekの手前でBandung方面に向かう、そのまま高速道路のPadalarangを通過し、終点Cileunyi(チレニ)で降りる。ここは道の両側にTahu goreng(豆腐の角揚げ)の店が並ぶ。ここを通る時は必ず買って運転しながら食べる。必ずである。塩味で私の味覚に大変合う。タシクマラヤ方面へむかう。、一般道路である。上り下りの山に入る。この辺り反対(私たちの場合帰り)車線の方がのぼりが急。トラックや乗用車で坂道を登れない、あるいは坂道発進が出来ない車が多い。それらの手伝いをする子供たちが片手に木でできた滑り止めを持って道の両脇で待機している。雨の時は大変だろうが儲かるらしい。タシクの手前でガルット方面に右折する。間もなく、Cipanas(チパナス)の案内板にしたがって右手に曲がる。ジャカルタから車で3時間くらいで温泉地チパナスに到着。
  ここは日本なら、沢山ある温泉町である。ホテルは10数軒あるでしょう。どの部屋にも温泉が引き込んであって、何時でも蛇口をひねれば風呂に浸かることができる。外には温泉プールが幾つかあり有料で泳ぐことが出来る。決して清潔とはいえない。露天風呂は無い。休日はここが目的で多くの人で賑わう。
  チパナスの意味は熱い水、ご存知、チは水という意味ですね。インドネシアにはチ何々という地名が至る所にある。チパナス、この地名の場所が散らばっている。
  パパンダヤンはチパナスから車で、1時間半で山麓の駐車場に着く。そこから、山登りが始まる。三時間ほどでキャンプ場につき、そこから、三十分でお花畑に着く。

 

2 山に入る出る
  温泉街を出て、Garutの町で迷い迷い、駐車場に着く。広いが車は我々の一台だけだった。早速、待っていたかのようにガイドが近づいてきて、話しかけてくる。ガイドが必要だということを強調する。登るであろう山を見上げるとどう見てもガイドは必要だと判断した。これは正解だった。昼食用の携帯コンロや食料もガイドが運んでくれた。一日で二千円ほど、安い!
  9時ごろから上り始める。三年前に大噴火があって、其の瓦礫が侵食され、道が無い。それも、急な上り下り、くねくねした歩ける場所を探しながら、我々が道を作っていくようだった。崩れる間の道も見えるが、その道を行くと途中で道が無くなり、また崖下まで降りて登らなければならないので、そこは使えない。また、硫黄ガスが吹き出ていて、風向きによってかなり高濃度のガスを吸い込んでしまう。息苦しい。元早稲田山岳部、ヒマラヤの経験がる中野氏も音を上げたほどの強行軍の連続だった。12時ごろキャンプ場に着き湧き水でお湯を沸かし、インスタントラーメンを作って食べた。疲れを癒すのはこういう儀式が日本人には丁度いい。
  しばらく休憩の後、ちょっと歩くとEdelweiss(エーデルワイズ)のお花畑にでた。ヨーロッパアルプスの種類とは違うがエーデルワイズに間違いない。以前はもっと、広く群生していたらしいが、人間に荒らされて少なくなりつつあるとか。インドネシアらしい話しである。
  パパンダヤンの頂上にはそこから往復六時間かかるというので、あきらめて、14時には下山の途につく。

 

下りも、また厳しい。下っているはずが上りも多い、其の上、ガイドが近道か何か知らないが、瓦礫が多い、噴煙が多いほうを選んで歩く。お陰で一般の人が見ることの出来ない綺麗なKAWAHや硫黄が盛り上がった噴出口を近くから見ることが出来た。フローレスのクリクトゥもそうだったが、何度の息苦しくなった事があるので、体調に注意した方がいい。他人にお勧めはしない。駐車場に戻ったのが、17:00過ぎ、チパナスに戻ったのが18:00を回っていた。それから早速、温泉に浸かる。

3 Cikarangへ帰る途中
  来た時と別の道を選んだ。途中、幾つかのKAWAによった。天然サウナや地熱発電所の見学もさせてもらった。ちょっと早めに降りてきたので、高速道路の途中、人工湖Jatiluhur(ジャティルフール)に寄ってIkan Mas(淡水魚の一種、養殖場がある)をゴレンとバカール(から揚げと焼き)で食べた。こういうところは当然ながら手掴みで食べる。
  二泊三日の疲れた山登りだった。崩れた山ときつい酸化硫黄や亜硫酸ガス、日本なら、完全に進入禁止になるような場所だった。一般の日本人を誘って連れて行ける所ではない。事前説明をして了解を得てから出ないと後で恨まれそう。私が行くところはそういうところが多い。

パパンダヤン
PAPANDAYAN
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